血糖調節異常の症状と要因

2型糖尿病の前兆である、”血糖調節異常”を知り、早い段階で対策を怠らなければ多くはその発症を避けることが出来ます
高血糖と低血糖
すい臓から分泌されるインスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンです。慢性的な食生活や生活習慣の乱れなどで、すい臓が疲れてインスリンの分泌機能が低下したり、体の細胞の状態が悪化してインスリン感受性が低下し糖の取り込み機能が不充分になると【高血糖】の状態になります。
体は、食事をしない間はエネルギーをつくるために、副腎・すい臓・脳・甲状腺から様々なホルモンを分泌して血糖値を上げます。慢性的な食生活や生活習慣の乱れやストレスなどで、体の細胞が糖を取り込み過ぎたり、これらの器官や機能が低下したりすると【低血糖】の状態になります。
血糖調節異常の様々なパターン
体は必要なエネルギーを得るために、器官や細胞をつかって常に血液中の血糖値のバランスを保って、細胞内に血液中のブドウ糖を吸収してエネルギーをつくります。
【低血糖】のままではエネルギーがつくれず、体は様々な不調を引き起こします。
また逆に【高血糖】のままでは、細胞は過剰に糖を取り込んだり、脂肪が蓄積したり、糖をエネルギーに変えるビタミン・ミネラルや酵素が不足したりして、細胞内外で酸化や糖化などの不具合が起きてダメージを受けます。
正常な食後血糖値の推移
食べ初めてから30分~1時間をピークに緩やかに推移する。

反応性低血糖症(血糖値スパイク)
食後の血糖値が上がりすぎて、その影響で血糖値が下がりすぎてしまう状態が起こる。血糖調節異常の初期段階。

血糖値の乱降下
血糖調節異常が進むと、血糖値が乱降下する状態が起こったりする。

無反応性低血糖症
食後もほとんど血糖値が上がらず低いままでとどまったりする状態が起こる。慢性的な低血糖で生じる。
血糖調節の能力がかなり破綻し血糖値が上げられない。

これらの血糖調節異常は、病院の一般的な検査で一時的部分の血糖値を測っても全く分かりません。
血糖調節異常は低血糖を伴い、体でエネルギーがつくりにくくなるので、糖質の過剰摂取をくりかえします。その結果、すい臓機能が低下したり、細胞内での酸化や糖化が進むと、血糖値がが下げられなくなり高いままとどまる“2型糖尿病”を発症して、初めて気が付くことが多いのが現状です。
血糖調節異常の自覚症状
血糖調節異常には、典型的な次の自覚症状がありますので、いち早く気が付いて対処することが必要です。
慢性的な疲労・冷え
- 朝が辛くすっきりと起きられない、目覚ましにほとんど気付けない。
- 特に起床から1時間は全てが億劫に感じられる。
- 身体が重く、とにかく疲れて仕方がない。
- 食べた後、眠気とだるさを感じる。
- 暖房が利いていて暖かい恰好をしていても寒くて眠れない。
糖質を過剰に欲する
- 甘い食べ物や飲み物が無性に欲しい。
- コーヒーとチョコレートが欠かせない。
精神的な症状を伴う事がある
- 些細な事で苛立ちを感じる。
- 病院に行ったり、エレベーター、電車に乗ったりすると不安感が強く出る。
低血糖は身体的・精神的な症状を引き起こす
高血糖時は自覚症状はあまりでないが、低血糖になると体は血糖値を上昇させようとして、様々なホルモンを過剰に分泌するので、自律神経は混乱をきたして、身体は精神的な症状や消化能力の低下などの様々な不調を引き起こします。慢性的になると、精神疾患と同じ症状(攻撃的、うつ)を引き起こし、精神病の発症へとつながることもあります。
認知症の老人は、低血糖を起こすことが多く、一日のうちホルモンを分泌しやすい時刻の関係で、これら攻撃的、うつなどの症状を、特に午後や夕方に起こしやすくなります。
低血糖症は、医師ですらまだ認知度が低く、通常の検査では分からないので、精神科や心療内科を紹介されて必要のない薬を飲まされてしまうことも多いので、これらの情報を事前に知っておくことが大切です。

血糖調節異常の要因
血糖調節異常の原因は、下記の生活習慣などが主な要因となり、すい臓や副腎の機能を低下することで起こります。
こころあたりがある方は早めに是正と対処をおこなえば、糖尿病の発症にいたらずに健康を維持することが可能です。
- 糖質の摂りすぎ
- 過食
- 酒・タバコ・コーヒーの摂りすぎ
- ストレス・睡眠不足
- アレルギー疾患
- 低栄養(糖質・脂質は過多で、ビタミン・ミネラル・タンパク質が不足)
- ミトコンドリア機能の低下